板谷波山を学ぶ板谷波山(いたやはざん)先生は、茨城県下館市(現在・筑西市)の偉大な下絵付けの陶芸家だ。私が生まれる5年目に天に召された「下絵付け」の技法で文化勲章を得ている偉大な作家だが、 下館という益子から30分位の近くなのに、なかなかその人まで学んでは来なかった。 そこで、板谷波山記念館と下館美術館に出かけてきた。 板谷波山生家(側面) (前(左奥)の部分は都市計画によって無くなっている。) もっとも、ふと思いついての事だが、近隣する両方の美術館を見られる共通入場券が「300円」の安さに、 思わず両方見ることにしたのだが、それがとても良かった。 常設展など全く期待していなかったのだが、作品展示はさておき(?)、 映像ルームで見ることが出来た資料映像で、かなり詳しいことが解った。 また、その映像には「板谷波山」と「森田茂」があったが、どちらもとても興味深かった。 特に森田茂氏の洋画「荒川能」シリーズは一度で好きになってしまっていた。(笑) さて、波山先生の話しに戻るが、昨年は「HAZAN」という映画まで製作されて、 益子・笠間界隈の陶芸界は「板谷波山」で、少々賑わっていた。 特にその「下絵付け」の意匠の素晴らしさには舌を巻く。 実はこの「下絵付け」という技法は、今まで僕が好んで描いてきた分野で、 「九谷焼」などの「上絵(赤絵)」と違い、焼き物を製作する通常の本焼過程において、 釉薬掛けの前(もしくは直後)に釉薬に等しい顔料で絵付けをしていくものだ。 (このHPに出している陶器画像の殆どがその「下絵付け」の技法だ。) 波山先生は、この「下絵付け」を様々な釉薬や顔料で行い、何度も何度も塗り重ねたり、 素焼きに何度も重ねたりして色の深さを表現している。 その表現の多彩さ、繊細さに本当に頭が下がる。 実はその方法が私の好きな技法の上級者版だと知ったのは、今回が初めてだった。 (近いのに実に情けない・・。苦笑) 基本的に陶土に「描く」技法としては、このHPのトップにある元工房で作っていたデザイン「二色花紋」が、 波山先生の技法の1/10工程程度の作品である。(爆!) そして、今回学んだ事によって、初めに進めてみたいテーマが決まったのである。 近日中にアイデアデッサンを進めて行こうと思う。 思いがけなく、良い方向の習得が出来た。 いずれ、この運に感謝できる日が来ると良いと思う。 板谷波山の三方向焚き口陶芸窯 (薪入れ口が3箇所ある!) と、まぁ、そんな事してます・・・。(苦笑) 追記 bukiukiさん ありがとうございました。 『益子周辺の温泉情報』ページを作り始めました! |